①石灰の散布
さて、早速「なす」の苗の植え付けといきたいところですが、まずは畝を準備しなければなりません。
植え付け作業自体はものの数分で終わる簡単な作業ですが、畝を作るのは事前の入念な準備が必要です。
畝を作る前に、まずは石灰をまいて土を中和しなければなりません。
野菜の大半はアルカリ性の土壌で育ちますが、雨が多い日本では土壌が酸性に傾きがちです。
石灰を撒く事によって酸性気味の土壌をアルカリ性に近づける事ができます。
どれだけ散布するかはその土地の土壌の性質、畑の面積、野菜の種類などで異なりますから、野菜作りの本やネットを参考にして個別に対応していきましょう。
②酸度計で土壌酸度を計測
何度も経験すれば自己流でもある程度分量は掴めますが、正確を期する場合には園芸店等で「酸度計」なるものを売っているので利用しても良いと思います。
「酸度計」はその名の通り土壌の酸度を計測する機器で、上部に目盛り、下部の先端に測定部分があります。
先端を土の中に差し込むと目盛りが振れて土壌の酸度がわかるというものです。
石灰を撒いた直後でもなければアルカリ性を指す事はまずありませんので、数値を参考に散布する石灰の量を決めます。
しかし、毎回酸度を測って適切な石灰の量を決めるのは結構億劫なものですし、酸度計は高いので必ずしもやる必要はないかもしれません。
「ふじやま」さんも実際に酸度計を持っていますが、今は使っていません。
ネットで数千円程度で購入したのですが、安物買いの銭失いで数値のブレが激しく、当てにならないので使用を止めてしまいました。
たまたま私がはずれを引いただけかもしれませんが、どちらにしても面倒なので以来使っていない状態です。
③肥料の散布
石灰を散布したら次は元肥となる肥料をまきます。石灰は通常苗の植え付け前の2週間前前後で、肥料は1週間前ほどに散布します。
何週間前と厳密にこだわる必要はありませんが、やはり石灰や肥料が土に馴染むまではある程度の日数が必要です。
忙しいとどうしても直前になって散布したり、植え付けと一緒にしようと考えがちですが、それでは収穫にも影響しますので、できるだけ余裕を持ったスケジュールで肥料の散布を行いたいものです。
「なす」の場合は堆肥と化成肥料等の組合せで施肥をします。堆肥は持続性がある上に、土をフカフカにしてくれて、微生物の活性化を促す有機肥料として重宝します。
可能な限り多めに施したいところですが、少々値が張るのが難点です。地域や店にもよるでしょうが、「ふじやま」さん在住の冨士山麓地域では例えば「牛ふん堆肥」が20kgで500円程度です。
これを高いか安いかと見るのは人それぞれでしょうが、「発酵鶏ふん」は20kgで200円程度ですし、高濃度の化成肥料は少量で高い効果が期待できるので、「堆肥」はどうしても割高に見えてしまいます。
もちろん、それぞれの肥料は性質が異なりますので単に値段だけを比べる事はできません。
土の状態や栽培する野菜に応じて適宜利用しなければなりません。
さて、話が横道に逸れてしまいましたが、「なす」の場合は元肥に堆肥をできるだけ入れておくのがおすすめです。
「なす」は5月から9月頃までと栽培期間が長めですので、効力が長続きする堆肥は欠かせません。
化成肥料は即効性がありますが後が続かないので、成長に応じて随時追肥で対応します。
それに一旦畝を作ってしまうと、土深くに混ぜ込んでしまう堆肥は追肥は難しくなります。
一方、化成肥料なら粒状のものを気軽に散布したり埋める事ができます。
ですから、植え付け前の元肥にはなるべく堆肥を多めに使用するのが良いと思います。
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